毎年、お正月明けの行事で子どもたちが楽しみにしているのに”もちつき大会”があります。
全園児が集い、オープニングは揃いの袢纏で年長組による威勢の良い太鼓演奏で気分が盛り上がり、子どもたちの熱い視線の中ふかしたての甘いもち米の香りが漂い、大きな臼と、子ども用の小さなかわいい臼に分けて投入されると一層大興奮。
大きな杵と小さな杵で”ぺったんこ、ぺったんこ”もち米が少しずつ、もち状に変化していく様子も見え、子どもたちも興味津々で覗き込んでいます。
息の合った職員の相の手も入り、子どもたち一人ひとり杵を持ち、もちつきを体験します。みんなでつきあげた達成感に浸りつつ、”あっ”という間に終了し用意されたきな粉やごま、あんこの他、力うどん等に変身したお餅をみんな揃って一緒にいただきます。一番人気はごま餅かな?
新たな一年の幸福と健康を願い、気持ちを新たにする行事にもなっています。
時代とともに消えゆく、日本の大切な心の風景がここにもあります。
今は袋詰めされた切り餅が主流となっていますが、なんとなく寂しく物足りなく感じるのは私だけでしょうか……。
私たちが育つ頃は、年の瀬になると各家庭で臼と杵での餅つきが行われ、早朝目を覚ますと父と母がもち米の湯気が立ち込める中、互いに掛け合い餅つきをしている和やかな光景は今でも甦ります。
近頃では臼と杵を使ってのもちつきは珍しく、実際目にする機会もなくなりつつありますが、いつまでも子どもたちに残したい昔ながらのもちつきです。