第81回:コロナで変わった遠足と夏まつり

めぐみ保育園 園長 津谷ゆき子
イラスト:夏まつり

新型コロナウイルス感染症予防のために、園内外の行事の見直しが必要になった。子どもたちが楽しみにしていたバス遠足が中止になって、親子で楽しむ夏祭りから子どもたちだけの夏祭りに変わった。

ここからが、先生たちの創意工夫の見せどころ。3密(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けて、バス遠足が徒歩遠足に変わった。3・4歳児クラスは「こまち公園」へ、5歳児クラスは「千秋公園」へ、おやつを持っての徒歩遠足になった。

そして、おまけにもう一つ、5歳児クラスは徒歩と電車で、JRの土崎工場まで見学に行った。見学者が少ない時期だったので、懇切丁寧にお世話をいただいて、ジオラマの中の電車をたっぷり運転させてもらうことができた。

また、先日行われた夏祭りは、日常のお店屋さんごっこの延長線上に設定し、手作り感あふれる3~5歳児中心のお祭りに変わった。出店には、紙、綿、ストロー、紙コップ等で作ったかき氷、アクセサリー、タピオカ、綿あめ、金魚等が並べられた。「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ!」と威勢のよい声が響き、買い物には、2歳児も加わった。浴衣や甚平スタイルと手作りの内輪がわくわく感を誘い、楽しい雰囲気が広まった。子どもたちに大人気の盆踊りやヤートセも、踊って楽しむことができた。ヤートセは、子どもたちの希望で突然踊ることになった。「どっこいしょ、どっこいしょ!」「ソーラン、ソーラン!」のかけ声もホールに響き渡った。

さらにこの日の給食は、夏祭りバイキングで、デザートにチョコバナナも添えられた。お祭りならではの献立で、子どもたちは大喜びだった。

コロナ旋風が吹き荒れる中、二度と戻らない子どもたちのタイムテーブルは休むことなく進んでいる。人生の礎となる貴重な幼児期の体験は、「子どもたちの未来をつくる」と言っても過言ではない。子どもたちの内面に蓄積される目には見えない「命の力」を、大切に育てていきたい。マスクをつけての保育が続いているが、一日も早く終わることを願ってやまない。