第83回: いまわたしは6才

秋田駅東保育園 園長 齋藤純子
イラスト:ハイハイする赤ちゃん

「いまわたしは6才」
  1つのとき なにもかもはじめてだった
  2つのとき ぼくはまるっきりしんまいだった。
  3つのとき ぼくはやっとぼくになった
  4つのとき ぼくはおおきくなりたかった
  5つのとき なにからなにまでおもしろかった
  いまは6つでぼくはありったけおりこうです。
  だから いつまでも6つでいたいとぼくはおもいます。
              (AAミルンの詩集より 訳 周郷 博)

いつまでも6歳でいられたらなんてステキなことでしょう。充実した幼児時代だったのでしょう。ミルンの詩集には1歳前はありません。当保育園は三歳未満児の保育園ですので、失礼を承知で勝手に1歳前を書き加えてみました。

  うまれたとき  すこしひかりがみえてきた。やさしいおとがきこえてきた。
          しずかにかぜがふいてきた。
  1かげつのとき おっぱいをごくごくのんでみた。おなかいっぱいになった。
  2かげつのとき ないたらだれかがきてくれた。だっこしてくれた。
  4かげつのとき わらってみたらおとながよろこんだ。またわらってみた。
  6かげつのとき てをのばしたらなにかにとどいた。くちにいれてたしかめてみた。
  8かげつのとき てとあしをじぶんでうごかすことができた。まえにすすんだ。
  10かげつのとき たちあがってみたらせかいがかわった。
  11かげつのとき こえをだしてみた。おとながこたえてくれた。

0歳児から保育園に入園する子が多くなった今、一人ひとりの乳幼児期が充実した生活と心の育ちを保障する保育園でありたいと思います。
              (AAミルン=「くまのプーさん」の作者)