第132回:「スタジオジブリ」初心者

秋田駅東保育園 園長 齋藤純子
写真:トトロ杉

今から40年前に「風の谷のナウシカ」のテーマ曲を吹奏楽で聴いた。壮大な音楽でダイナミックかつ繊細なメロディーが鮮明に耳に残っている。しかし、映画はさっぱり楽しめなかった。私は現実的な人間なので、ファンタジーやアニメーションはどちらかといえば苦手だった。しかし、今保育園の子ども達はトトロやポニョのキャラクターが大好き。よちよち歩きの子が「ととろ~」とか「とろろ~」と言葉を発することもよくある。パパママ達はジブリ世代だなと微笑ましく思っていた。年末年始、秋田県立近代美術館で「金曜ロードショーとジブリ展」が開催されたので、出かけてみた。目を疑ったのが大迫力の王蟲。当日は大混雑だったので、人波に押されて出口まで来てしまった。その後ジブリ熱にかかった。今一度作品を見なければいけない衝動にかられDVDを借りて毎日見まくった。

まずは【魔女の宅急便】舞台の外国の描写が夢の景色でとても魅力的で行ってみたいと心が躍った。そして宅急便の仕事をしているキキがかわいい顔して言った。「仕事だもん。楽しいばかりじゃないわ。」「笑顔よ!第一印象を大事にしなきゃ!」

【もののけ姫】理解に苦しんだ。しかし昔ばなしのようでもあり興味深い分野だった。

【崖の上のポニョ】いつの時代にも身近にいる面々が登場している。洪水、遠距離家族、老人施設。それぞれの会話が面白い。他人事とは思えない。

【ハウルの動く城】人の生き方にどんな時でも許せる気になった。「年を取っていいことは驚かなくなることね。」ソフィーが言った。

そして【となりのトトロ】想像できる場面設定の中でサツキとメイが言う「夢だけど夢じゃなかった。」私は遅ればせながらジブリの魅力にはまっている。

少子高齢化の今、どの年代にもこれからの未来をジブリで語るのも悪くない。楽曲も映像も声優ももちろん内容も古臭さは全くない。ジブリファン初心者の私が年齢と共にジブリファンタジーをじわじわと深堀りするのが楽しみな昨今である。